2012年12月22日土曜日

電子書籍 各ストア 出版社別 冊数調査(2012/12/22) -Koboの大量投入-


 忘年会シーズンですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
 2日連続はなかなかきついです。

 さて。
 2日酔いで、喫茶店でダラダラしてましたら、「koboイーブックストアが品ぞろえを一挙拡充――小学館作品など配信開始」というニュースが流れてきました。
 …ということで、具体的に、どれぐらい増えたのか、確認してみました。

 まずは、調査開始からの1ヶ月半の推移のグラフから。





 下から2番目の太く強調した線が、今回の主役・Koboです。
 増えてます。結構な勢いで増えてます。
 ここ一週間で、グラフの傾きが大きくなり、一気に増加、honto(タイトル数)、Booklive!(タイトル数)をゴボウ抜きです。
 …いや、冊数でタイトル数を抜いてもしょうがないんですが、とにかく増えています。

 具体的な数字でいうと、前回の定期調査時の2週間前が14,254冊、今朝が21,299冊でした。
 1.5倍になっています。
 
 また、Koboほどではありませんが、Kindleも増加ペースを上げています。
 そちらは26,536冊から2,289冊増加で、28,825冊です。


 あまり意味はないかも知れませんが、現状把握のために全ストアの内訳グラフ。
まだ、他ストアとはだいぶ差がありますが、これまでほどの大差はなくなりました。

 
 つづいて、その増加数の内訳のグラフを二つ。




 上は、毎回、定期調査で出している各ストアの増加数のグラフです(「毎回」といっても、増加数を出したのはまだ1回ですが(汗))。
 その下のグラフは、Koboだけに絞って、2週間の変化量を見てみました。さすが1.5倍。増えてます。

 報道された小学館はやはり多いです。これまで12冊だったのが、一気に2,507冊。
 その次に中央公論新社が来ています。未配信からの1,359冊配信開始。
 つづいて講談社が1,340冊増加ですが、先月の1ヶ月間では約2,200冊増だったので、いつも通り。毎回ながらの多さです。
 他に配信開始した出版社としては、秋田書店(0→424)、双葉社(19→566)があります。


 今回配信開始した出版社の、他のストアでの配信状況は、以下の通りです。
 まだ増える余地は残っています。
 小学館:約5,400~6,800冊(ebookjapanで10,499冊というのもありますがこれは例外でしょう)。
 中央公論新社:約1,500~1,900冊。
 秋田書店:約2,100~3,400冊。
 双葉社:約1,000~1,800冊。

【こそっと追記(2012/12/24)】
 ただ、Koboについては、ちゃんとした出版社が増える一方、「水増し(と見なされがちなもの)」も増えています。
 一週間での全体の内訳の変化は以下の通り。

 新たに、「株式会社エクシング」「長野電波技術研究所」から、大量の配信が始まっています。
 エクシングというのは、カラオケのジョイサウンド・UGAを運営する会社で、その資産を生かした楽譜の配信をKoboで開始したようです。
 また、長野電波技術研究所というのは、怪しげな名前ではありますが、古文書の収集・保存・複製をおこなっているようで、その古文書が配信されています。
 電子書籍は、劣化しないので、古文書とは非常に相性が良いですし、電子書籍で、広く販売するのは非常に有意義だと思います。その一方、万人向けではないので、配信冊数に加えていいかは非常に悩ましいところです。
 このブログで、私の行っている「主要出版社だけ調査」という方法は、「万人向けの書籍」「一般の書店に並んでいる本」の配信状況を把握するのが目的ですので、今後も含めて、この冊数は含まない形になります。
 でも、こういった有意義な取り組みをカバーしきれないのは、これはこれで悩ましいところです。



 同じく最近急増したKindleの変化量も見てみました。

 こちらも、中央公論新社と秋田書店の配信が始まっています。
 中央公論新社は未配信から799冊、秋田書店は未配信から424冊です。秋田書店は、Koboとまったく同じ冊数です。
 Koboで配信開始した小学館・双葉社は、すでに配信されていました。
 Kindleでは、他に、これまで、1冊(「ヘルタースケルター」)しか配信されていなかった祥伝社が、19冊配信を開始しています。「うさぎドロップ」全10巻を含むFeelコミックスでした。


 他ストアも含めた未配信状況です。
【各ストア未配信出版社(2012/12/22現在)】
GALAPAGOS STORE:角川書店 富士見書房 アスキー・メディアワークス
紀伊國屋:ソフトバンククリエイティブ
ebookjapan:光文社 PHP研究所 ゴマブックス 新潮社 (中央公論新社 15 アスキー・メディアワークス 25)
Kindle:徳間書店 白泉社 (祥伝社19)
Kobo:徳間書店  光文社  新潮社 白泉社
Bookwalker:小学館 徳間書店 秋田書店 光文社 集英社 双葉社 学研 中央公論新社 PHP研究所 ゴマブックス 新潮社 文藝春秋 祥伝社 白泉社 NHK出版(学研1)

【配信開始(2012/12/07→2012/12/22)】
ReaderStore:白泉社(0→117)
Kindle:秋田書店(0→424) 中央公論新社(0→799) (祥伝社(1→19))
Kobo:小学館(12→2,507) 秋田書店(0→424) 双葉社(19→566) 中央公論新社(0→1359)
 ここでの調査対象出版社のうち、のこる未配信出版社はKindleが2社、Koboが4社となりました。
 だんだん、他のストアに追いつきつつあるのが、この一覧からも見て取れます。

 他に、今回での異動としては、ReaderStoreでの白泉社配信開始があります。
白泉社は、Kindle、Koboでも未配信なので、今後の配信開始の可能性が増したかも知れません。

まとめ

  • Koboは、小学館、中央公論新社、秋田書店、双葉社と各出版社が配信を開始して、大幅に増えている。
  • その一方、新しい「水増し(?)」の種を見つけたらしく、そちらも増えている。
  • 気がついたら、公称冊数ではトップクラスになってしまった。
  • 実態としては、だいぶ差は縮まってきたものの、まだまだ差は大きい。
    適切かはわからないけれども「プロと高校生の試合」から「プロの一番上とプロの一番下の試合」程度になってきたかも…ぐらいの感覚。具体的には4勝17敗くらい。
    Kindleも同様に、中央公論新社、秋田書店の配信が始まって、大幅に増えている。

 以上。


謝辞
 Koboの出版数データについては、[帰ってきた] koboストアの品揃えを見守るページさんのデータを使わせていただいております。
 他のストアは公式の検索機能を使っているのですが、そちらが信用できないこともあり、また、出版社別一覧がすでにできていることもあり、非常に便利に使わせていただいております。
 ありがとうございます。

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